あるピアニストの呟き - カワサキタカヲ3動向 -

ピアノトリオ「TAKA3」の関連記事を中心に音楽雑記帳としております。

真夜中の雪+ノイズ

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雪。
最も好きな自然の事象です。
犬年だから、、と言ってしまえば話が終わってしまう。
雪の特長は音ではないか?と思います。
私の田舎は岩手の太平洋側ですので降雪は少ない方です。しかし、東京とは比較にならない。
程よく、こちらが困らない程度というのか、雪害となるともはや可愛くも何ともない。雪の音。例えば、、、。
夜が更けて、一夜漬けの勉強をしておりますと、当時二階に割り当てられていた部屋の障子の向こうに本当に微かな気配を感じます。
その気配はカサカサという微量な音。
音楽で使用するミキサーやIF〈*1〉メーターのインジケータ、針では動かないレベル。
しかし、実際に音を発しているからこそ気配が在るわけです。
本当に無の状態から気配を感じることは、もしかしたら在るかも知れないですが(そう考えた方が私は好きですが。)希なことでしょう。

気配を感じると、強い確信を持って障子を開けます。
すると、どうでしょう辺り一面銀世界。降り積もった雪は5cm以上。
この世界の変容、自然が演出する完璧なドラマには驚く他はないです。
思わず、教科書、参考書を閉じて、外に飛び出します。
当時実家の前は車も殆ど走らなかった。
思いっきり走って、そして滑ってみると意外な程自分の身体は穏やかな雪の力で前方に運ばれて行く。あまりの美しさと楽しさに我を忘れて奇声をあげていると、遅く仕事帰りの女性に驚かれたので、急に現実に戻って勉強を続行するために引き上げることにしました。
ふと、隣家との境界線に設置されている電信柱を見上げますと、その付近から電気的な「ブゥーン、、」というノイズが聴こえて来ます。
水銀灯の光に反射する雪模様とそのノイズの造る何か立体的な新しいアートを眺めている気がします。
この電信柱付近からの電気的ノイズに関してはネットで詳細を説明している方もおられます。
しかし、そういう実際的なことではなくここは、人の心に止まる事象ということで語らせていただいております。
雪のイメージは幼稚園から始まっております。この幼稚園はキリスト系の幼稚園で園長さんも神父さんでした。仏人でオスカー・エグロフと言います。彼はよく「仏にもオバQはいますよ」等と園児でも分かるウソを言っておりましたが彼に対する根拠なき良い印象は今も変わりません。僕は無宗教、無信心ですが、どうも教会とか、クリスマスのあの宗教的な薄っぺらい外側部分に弱いのはこの辺りの刷り込みからと思われます。(宗教は表層部分は大体において柔らかく気持ちが良い。しかし核心に近づくと、それはもちろんドロドロ状態になっていくわけです。)「雪降る時も、嵐吹く時も、食べ物はあります。神様がくださいます。」こうして毎日お弁当をいただくわけです。ウソつけ!!なら働く必要ないじゃん!と思うのですが、そんなことを言ったら可愛そうなんですね。これは形式というものです。こう唱えてお弁当をいただくと少し美味しくなる気がしませんか?やれやれ、訪販の天才みたいだ。

ところが、次に来た雪のイメージは祖母の法華教から来ております。キリストから日蓮宗というのは富士急ハイランドの「フジヤマ」もビックリな急降下です。祖母は心臓が悪くそこから元気になるよう縋ったのが日蓮宗法華さんですね。大晦日、家族皆で過ごしていると、祖母がアパートの踊り場に行くと言い出しました。大雪でしたから皆嫌がって辞退しましたがワタシだけが何故かお付き合いしました。
踊り場でしんしんと降る雪を眺めていると、遠くからドン、、ドン、、ドンとタイコの音が近づいてまいります。
それは、高齢の女性達でつくられている護衛歌隊です。独特なリズムと音。そしてあの真似の出来ない少し湿った感じ、不気味なところもある節回しの歌。とうとう白装束を纏った編み笠を被った彼女達は、その踊り場の前で立ち止まりました。そして高らかにタイコを打ちながら朗々と歌います。
このインパクトは、キリスト幼稚園の刷り込みを軽く一蹴するほど凄いものでした。
祖母は今年の大晦日はこちらの若夫婦のところにお邪魔しているから、、と予め護衛歌隊に伝えておいたのでしょう。

そして次のイメージが前述の電信柱ノイズとなります。
こうして整理すると、雪に対する強い感心が3点の要素から成り立っていることが分かります。それ以外の忘れていたことの中に、実は面白いこと、素敵なことは隠されているかも知れません。ふと思い出すということが不思議ですよね。なにかスイッチがあって、それが何かのキッカケによってONされるのでしょうか。自然と自分との関わりに、そうして気持ちの良いスイッチがあることを信じております。

*1:IFとはインターフェイスのこと。この世にインターフェイスは様々あれど、音楽の場合は楽器とテレコ(録音機)の橋渡しを行う現在の音楽でも最も肝とされる機器を言う。例えば、アナタがマイクで歌う、その歌をコンピュータに入れてみたい、、と思ったとします。しかし、マイクから一体どうやってコンピュータに美声?を入れるのでありましょうか。そこでマイクコードをIFに接続し、IFからはUSBでコンピュータに接続し、そのままではやり取り不可な信号の変換を行いつつ、音データをコンピュータに流し込みます。勿論、そのさいコンピュータ側にはDAWという作業アプリがインストールされている必要がありますが、これを説明しているとキリがなくなりますので、興味の沸いた方がおられましたら、どうぞPianistTAKAまでご質問してください。