あるピアニストの呟き - カワサキタカヲ3動向 -

ピアノトリオ「TAKA3」の関連記事を中心に音楽雑記帳としております。

あるピアニストの呟き ー カ ワ サ キ タ カ ヲ 3 の 動 向

心の中心に在る作品

自作の中で「中心に在る」というイメージが最も強いのは今現在では「Spiral」と「雨の工場地帯」です。

「Neo Classic Dance」は少し離れたところにポツンと佇む感じです。
このSpiralは舞曲基調のテーマとミニマル変拍子のコントラストを楽しむ作品です。
この2曲はニ短調をベースとしているところも偶然なのか共通してますが、更に言えば3拍子系であるところも重要な共通項です。
自分が最も表出していると感じる理由は、雨の工場地帯は単純にその旋律の中に。そしてSpiralはその構成にあると思っております。
その構成はかなり分裂気味であり、脈絡なく蛇行して行きますが、最後はテーマに戻って行きます。それは正しく、自分が欠点だらけの人間なのだ!と言っている作品に他ならない気がします。自画像みたいなものだろうか。
僕がこのSpiralを作曲したのが26才、そして今の形の根本となったバージョンが出来たのが44才頃です。
そして4年前、某音楽ファンに「解脱アレンジ」と言われた「ver,2.01」というのがあります。これはオーボエとフルートをフロントとして活動したIMAGOというユニットのために書いたものですが、もはやこれはSpiralではないとの批判も多く、取り下げおりました。
しかし、それは作曲家として恥ずべきことだったかも知れない。一人の音楽ファンが「解脱」と言った気持ち、意味を考えれば簡単なことです。あれだけ自分が気に入っていたバージョンを捨てる事はない。どちらも活用していけば良いだけの話です。おそらく管楽器のゲストが入ることが先々あると思います。その時は間違いなくこの譜面をもう一度引っ張り出すでしょう。2、3日前に数年ぶりにこれを聴きましたが、驚きました。おそらく今の僕ではこのアレンジは出来ない。その圧倒的な情熱というのか、2管編成にかける気持ちが痛い程伝わる内容であり、ゴチャゴチャとした駄目パートを除けば今も演奏出来るレベルです。

というようにSpiralには実は2バージョンの用意があり、ひとつは今のところ休眠しているわけです。そしてこれと対峙するのが「雨の工場地帯」でこれは、僕が高校時代、ピアノのレッスンをさぼって、プラモデル店に向う小雨振る工場地帯の情景を表現したものです。これは自分の過去の断片から取り出したハッキリしたイメージがあり、そこがSpiralにはない強さです。Spiralがプログレッシブと言って良いアプローチなのに対して、こちらはジャズ的なアプローチなのも大きく異なるところです。テーマ数も圧倒的に少なく、整理すると1テーマ+展開部だけとも言えるでしょう。しかし、だからと言って手を抜いたわけではなく、何度も弾いては試行錯誤を繰り返し、当初からの改訂は3回程となります。おそらく屋台骨は変更する必要がないはずです。この2曲は明日ライブで演奏します。思いっきり気持ちを入れて丁寧に演奏したいと思います。