あるピアニストの呟き - カワサキタカヲ3動向 -

ピアノトリオ「TAKA3」の関連記事を中心に音楽雑記帳としております。

あるピアニストの呟き ー カ ワ サ キ タ カ ヲ 3 の 動 向

名器ステージピアノ・CP-4を作曲に使いたい!

ポイントは音質よりむしろタッチにあり!

CP-4はYAMAHAが満を持してリリースした自信作、現行型のステージピアノということになります。僕は、このピアノをリリースから約2年以上も待って、ようやく(嫁・財務省の許可を得て)購入しました。前任のSV-1が壊れてしまった、、という理由も後押したのですが、大きく重いステージピアノを修理に出すのは、それ相応の愛情があってのことです。以前、同メーカ・P-80を浜松でオーバーホールしていただいたのも、このピアノが本当の相棒だったからです。
楽器店で十分に(過ぎるほど?)試奏してまいりましたので、その弾き心地は分かっておりましたが、実際この「成増山スタジオ」で自分の環境に組込みますと、細かいところが見えてまいります。音楽雑誌や、概要を説明している楽器店サイトでは伝わって来なかった部分。それが自分なりに使い込むことで見えてまいります。小見出しに「ポイントはタッチ」と書きましたがこれは自信をもって言えることです。このピアノの最たる特長はタッチにあります。
音色と表裏一体のタッチは、各メーカが最も苦心しているところだと思います。しかし、そこはピアノメーカであるヤマハ。流石です!「ピアノメーカ」が製造するステージピアノというのは"ひとつの選択要素"として良いのではないかと考えております。ですので、カワイ・ステージピアノも僕としては気になるところです。ところが、これが不思議なことに、生ピと同じ方向で個人的にヤマハの方がしっくり来る。それはおそらく、小4でピアノを始めた、その時からの「お友達・ヤマハ/アップライト」の音が心に刻まれているから、かも知れません。いつもは気難しい自分ですが、こういうことは別です。若い頃「ヤマハ・池袋東ショップ」(残念ながら今は在りません。)でバイトをしていた記憶がありますが、これまた大き過ぎる?過去です。CFX音色ではもはや感じられませんが「CFⅢ」「S6グランド」ですと、どこか本当に微細なところに昔からの、あの音楽教室で耳にしていたグランドピアノの無骨で、語弊を恐れずに言えば「野暮ったい音」そのイメージが在るような気がします。僕はそこに懐かしさと温かさを感じるわけです。「いつもは仏だ、北欧だ、というお前らしくない」と周囲から言われそうですが。しかしピアノというのは自分にとって全く別次元です。幼い頃からの自分が重なってこうしたピアノ選びにも影響を与えるわけです。

さて、タッチの話をしなければなりません。特に中域から高域にかけてのタッチは目を閉じて(僕は目を閉じて弾いていることが多いのですが。)弾いていると、グランドピアノ、フルコンとは言い過ぎですが、間違いなく「C-3クラス」と錯覚するレベルだと思います。それだけのリアリティが在ると言うことです。若干軽い感じがしますが、これは個人的見解で、人それぞれ感触は異なると思います。これは、僕が長年愛用したG-3が特別に鍵盤を重く調整していただいていたので、その差異により軽く感じている可能性があるのです。ニュートラルな整音されたグランドを弾き馴れた音大生さんなどは「こんなものじゃない」と言うかも知れない。そういうことで、このピアノはクラシック対応でも何とか行けそうです。「ピアノは空気を伝わって耳に音が届くのが正しい!」と言われれば、それは正論でしょう。しかし、出来るだけ正確なヘッドホンを直挿しして、きっちりと自分の音に調整すれば、調律もろくにされていないような生ピより数段役に立つというものです。というか、これでもかなり地味にお伝えしているわけでして、実際はその音を聴いていただくのが一番でしょう。

▼なかなかニクい選曲で弾いておりますが、音質に関してはおそらくEQをデフォルトのままで弾いているかと思います。

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上記デモは、個人的見解からすると少し細身な音です。ご自分の音とするには、筐体の右側に位置しております「5バンド-EQ」を使って自分の音に近づけると良いでしょう。このEQを使わない手はないです。痒いところに手の届いた優れたEQではないか?と思います。僕は、CFXもしくはCFⅢでHIGH MIDを若干上げております。またMIDとLOW MIDIも本当に僅かですが上げております。HIGHとLOWに関してはイーブンであり、ここは上下させることはありません。CFⅢでこのEQを施し、さらにデフォルト設定のリバーブを下げて行くと(僕にとってはこのデフォルト状態のリバーブは少しやり過ぎです。)むしろ、このピアノの生な感じが出て個人的に好むところです。そもそもリバーブ量の多いのは好まない傾向がありますので。こうしてツメて行くと面白いことに以前長く愛用したYAMAHA/P-80の音に近づきます。質感としては圧倒的にCP-4が上を行きますが、実際の作業でP-80、それから次に使用していたKORG/SV-1と比較すると、音的にどうにもならないくらいの差はないように思います。少なくとも自分の音楽で使用し、プログラムしてみた印象においては。
ただ、何が圧倒的に違うかと言えば、重ねて書きますが"タッチ"です。このタッチだけでもCP-4を買う理由として十分だと思います。それだけ弾いていて気持ちイイです。そしてそのタッチと共に出現する音がまた自然な応答をするので、作曲作業などでは自分の想い描いたイメージをトレース出来ているという実感があります。
鍵盤は白鍵も黒鍵も木製であり、おそらくタッチの素晴らしさに貢献している部分があるのだと思いますが、その出音と鍵盤の関係性までの言及は僕の知見の及ばないところであり、申し訳なく思います。
また、木製鍵盤採用でありながら重量を17.5kgに抑えたのは立派です。因に前述のP-80は細長い筐体ながら18.0kgという重量でした。見た目は奥行きがあって重そうですが、なかなかの可搬性です。スイッチの剛性、筐体各部の作りはとても丁寧で、長く使えそうな予感がします。一度や二度の故障があっても修理に出して使い続けるつもりですから、P-80と同じく10年選手となる可能性があります。余談になりますが、このピアノは中古で買いました。しかし、傷は見当たらず、使用感が殆どありません。どなたが売りに出したのかは分かりませんが、勿体ない話ではあります。と同時に感謝しているわけです。僕がコレでもか!!というほどに使い倒しますので、ご安心ください、、と。

〈2017.10.4 記 成増山スタジオにて〉