あるピアニストの呟き - カワサキタカヲ3動向 -

ピアノトリオ「TAKA3」の関連記事を中心に音楽雑記帳としております。

あるピアニストの呟き ー カ ワ サ キ タ カ ヲ 3 の 動 向

加速度的にジャズへシフト

ジャズと言っても、意外に幅広い。

僕が言うジャズは、かなり狭い範囲においてのことだと思う。

今年4月にライブを控えており、これがメンバーの調整から結局ピアノトリオでやることになってしまった。

"しまった"という言い方は変か?(笑)

少し避けて来た編成だったので。

しかしこれは「定め」というものかもしれない。演歌風に言えば。

そこで、当然のことながら作曲のアプローチから、さらに聴く音楽まで変化したり、昔に戻ったり、新機軸を作ったりと忙しいことではある。

しかし、この最近のジャズへのシフトは、納得の行くものであり、この年になってようやく落ち着き先を得たという実感がある。

よって一緒に演奏していくメンバーも、方向性や条件面ではもはや迷わないと思う。

自分の作品とピアノに合ったアーティストにお願いすれば良いので。

この狭い範囲においてのジャズはECMで殆どが事足りる。

しかもECMの更にこの辺というのがあって、その全てではない。

まあ、ECMというのは全体としての音のイメージがあるわけだけれど。

当然ながら、音楽内容はアーティストによっても、誰のリーダーアルバムなのかによっても随分違って来る。

アプローチとしては即興的でありながら、テーマ性があり、どう見ても作品として成立するような実に知的なやり方。

これは演奏家に力とキャラがないと成立しないだろう。力と一言で言っても、それは無論メカニカルなことを言っているのではなくて、独創性と作品を紐解く耳を持っているということだろうか。そこから瞬時に自分固有の技を繰り出せることが作曲への応えなのだが、まあ、これが難しいわけだ。そこのところが何と言うか凄過ぎて、大変なことになっているのである(笑)

またリーダーとなる中心に位置する、例えば、ジョン・アバークロンビーや先日書いたヤコブ・ブロの音楽のやらせ方というのもある。どちらもギタリストだが、ジョンアバーの方が、もう少し意図的な感じが強い。

その辺は好みだろうが、僕はどちらも参考となるし、今後の指針としたい。

こちらピアニストなので、ギタリストのアルバムは冷静に、客観的に見えるところがある。作品にアプローチする、例えばサックスのジョン・サーマン、ドラムのジョーイ・バロンにしても、僕がこれまで接して来たジャズとは出す音もフレーズも全く違う。

例えばジョンアバーの「November」で聴かれるジョン・サーマンのサックスの音色。何と自然でしっくりくる音なのだろう。サックスってこんなに美しく、表情があるのか?と驚くし、また息を使う管楽器は随分と個人的な好みでイメージが左右されるのだ、ということが理解出来のである。

僕にとって彼らの音楽、出音はとても新鮮で、聴き手としての自分が数十年ぶりに覚醒したのが分かる。

これは矢継ぎ早にCDを買い込むだろう。

聴いて感心して、楽しめて、イメージ出来る。こんな素敵なことはないのだから。

彼らが日頃からどうのようなことを考え、どのような日常を送り、映画を見て、本を読むのか、興味深い。

音楽を深堀していくにあたって、とても良い先生達を見つけた。

そう、僕は再度学びたかったのかも知れない。

真似で終わってはいけないし、僕にはそんな器用さはないが、バンドのやり方ってのを教えられた気がする。

ここ数年の蛇行が冷たくピュアな風で瞬時に洗い流されたようで気持ちがいい。

言い方を変えれば、自分がピアニストとして作曲家として振り出しに戻っただけなのかも知れないが、それは同じスタートラインとは少し違う。

それを今年証明して行こうと思います。