読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

あるピアニストの呟き - pianist TAKA -

ピアニスト・タカの音楽記録です。音楽以外の様々な話題も取り上げます。

忘れないように、、初めてのピンクフロイド

釜石市の中心と言えば、おそらく駅前かお薬師さんの辺りだろうと思う。震災後もそうだろうか?そこから少しばかり歩いたところに昔「レコードユキ」というレコード屋さんがあった。キングクリムゾンの「宮殿」も、ビートルズの「リボルバー」も、そしてピンクフロイドの「狂気」もここで買った。高校三年生、黒板の隅にちいさく白いチョーク「ベルベットイースター」と書いてあった。そういう時代だ。これもまた気になって後で調べてユーミンの「ミスリム」を買った。「魔女かスーパーレディか!」とジャケ帯にはあった。さて学校から帰って来た学生服のままの僕は(ガリガリに痩せて長髪だった)、何故か両石町の叔母の家(母実家)にて、そのアルバムジャケからレコードを取り出していた。建替えをしていたのだ。こんな受験生活中で叔母の家でロック三昧だからろくなもんじゃない。大学などどこも受けなかった。音楽家になりたかったから1年勉強して音大に入るつもりだった。僕が音大/作曲科だったと思い込んでいる方は意外に多い。すみません!!でも僕からウソを言ったことは一度もない。「ピアノ科」です。確かにこんな下手なピアノ科もないだろう、ということは分かるので、もうどちらでもいいです(笑)栗コーダーの関島さんに対バンした時、「川崎さん、作曲科かピアノ科でしょう?でもどちらだろう!うーん、、、!」と言われましたが、正直なお気持ちでしょうね。おおっ、脱線した。さてピンクフロイドの狂気をターンテーブルにのせて、妙に厳粛な気持ちで針をおろす。ヘッドホンからは何も聴こえて来ない。あれ、、!?うん、、待てよ。次第に妙な叫び声が聴こえて来る、どんどん大きくなってくる「あー、、あー、、あーっっ」何しろボリュームを上げていたものだから、「うわっっ!何これ?」とヘッドホンを投げ出してしまいました(笑)この有名な冒頭のSE、に何とも失礼な僕のリアクションでした。
ヘッドホンを投げ出すほどの薄気味悪さ、そのインパクト。ピンクフロイドの連中は、人から嫌われることを怖れなかった。というか自分達の言いたいことだけを、ただそのまま言っただけだった、とも言えるのか。

それから半年後、また聴きました。今度は程良い音量で。そのオーディオ的な質感、それは国産アルバムでは到底聴く事の出来ない独特な色合いを持っておりました。「タイム」で聴かれるギターの先鋭かつ驚く程繊細な音色、「虚空のスキャット」で聴かれるピアノのマルチトニックシステム的な退廃的なイメージ、「マネー」の生々しいSEと変拍子、僕にとって何もかもが新鮮で信じられないことばかりでした。考えてもみれば、チャイコフスキーのピアノ協奏曲からビートルズまで、僕の音楽スキルは叔母の家のステレオから得たものが実に多かった。母の妹達はあれだけの田舎でありながら、趣味はなかなかのもだった!(笑)あの2階に置いてあったステレオは今でもよく懐かしく思い出します。盆暮れを過ごした母の実家でしたが、残念ながら震災で流されてしまいました。ピンクフロイドを聴いた、あの部屋がもうないのだと思うと寂しく、少し苦しい気持ちになりますが、しかしそういうことが現実として在ったのだとしっかり心に刻み込むこと、より前に、先に強く進むことが大切だと自分に言い聞かせています。感傷的になるくらいなら、それを音楽のネタに使った方がマシ。半分はウソだけれど(笑)♬